空き家コラム
お役立ちコラム vol.1
不動産の相続について知っておこう

誰もが経験する相続。不動産はすぐに分けられないからこそ、トラブルになりがちな遺産となります。もしご自分が不動産をお持ちの場合には、相続問題が起きないように対策をしておくことが大切です。そして今後不動産を相続する可能性のある方も、知識を身につけておけばいざというときに安心です。

まずは不動産相続の基礎知識をご紹介します。

 

不動産を含む遺産を分ける方法には、「現物分割」「換価分割」「代償分割」の3つがあります。

 

現物分割
不動産や預金・現金などを相続人に分割します。現金や土地を他のものに変えることなく分割する方法で、最も一般的です。

 

換価分割
相続した財産を売却などによって現金に換えて分割する方法です。土地や有価証券、美術品なども現金に換えることではっきりとした数字が見えるため分割しやすくなります。

 

代償分割
一人が不動産を相続し、その代償として、他の相続人に現金を渡す方法です。

 

相続人が複数いて、遺産の大半が不動産の場合には、「換価分割」または「代償分割」の方法をとることが多くなります。ただし、「代償分割」の場合は、不動産を相続した人が現金を多く用意する必要が出てきます。また、現金一括が原則となる相続税の支払いのために、不動産の売却が必要になる場合もあります。

さらに、「代償分割」で注意が必要なのは「譲渡取得税」です。相続人の一人が不動産を相続して登記し、その後に売却、取得した現金を分けるとすると、その売却益が譲渡所得とみなされ、所得税がかかるというものです。

しかし、売却した不動産に住んでいた相続人には、3,000万円まで特別控除が適用され、譲渡所得税はかかりません。また、売却する前に所有していた期間によって、税額が変わってくるなど、かなり細かい規定が多いため、専門家への相談がおすすめです。

 

不動産の相続の方法の一つに、共有名義もありますが、後々トラブルになる可能性も。例えば、共有不動産の売却などには共有者全員の同意が必要になるため、子や孫の世代まで相続が進むと、権利関係が複雑になることがあります。不動産の共有は避ける、または共有しても早めに解消するほうがよいでしょう。

 

生前にできる不動産相続対策のポイントがいくつかあります。

例えば、建物の場合は、売却するより建物を残して相続したほうが、時価の7割程度の相続税評価額に置き換えられるので、相続税が抑えられます。さらに、アパートのように家賃収入がある建物の場合は、生前贈与を組み合わせると節税効果も。年間110万円までなら、贈与税の基礎控除が適用されるので、家賃相当額を生前贈与すれば、現金の相続税が抑えられます。相続人が複数いる場合は現金化しておくのも対策の一つです。

また、押さえておきたいのは、相続税はすべての人に課税される税金ではなく、以下の計算式で算出した金額を課税評価額が上回った場合に、その部分に対して相続税が課税されるという点です。

 

相続税の基礎控除額=3,000万円+(法定相続人の人数×600万円)

 

例えば相続人が3名いるケースであれば基礎控除額は4,800万円なので、この金額を超えなければ相続税は課税されませんので売却の方向も考えられます。

 

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